みなさんこんにちは、かっしーです。
先日、マレーシアのある駐在員の方がキナバル山を登ったことをSNSに投稿しているのを発見しました。
アップされている写真がどれもきれいなものばかりだったので、登頂中の話しを後日お聞することができました。
その方にとっては一生に一度となるかもしれないキナバル山登頂ですので、快く記事作成を手伝ってくれました!笑
本当は私自身がキナバル山を登って記録を書けばよいのかもしれませんが、長距離を歩いたり走ったりするのが本当に苦手な私は、誰かに頼るしかありませんでした・・・。
常々登ってみたいと思うものの(少しは)、登山は自分には圧倒的に向いていないことを自覚していたので、完全に他力で、登山旅行・当日の詳細を含んだ記事を書くことができました。
お忙しい中ありがとうございました!!
話を聞く中で、本人も決して登山は得意ではないとおっしゃられていましたが、終わってみれば感動に溢れる登頂だったようです。
キナバル山登頂記
Q.簡単に自己紹介をお願いできますか?また、これまでの登山歴なども教えて下さい。
日本産品のマレーシアでの海外展開を中心としたコンサル関係の仕事をしています。
2015年末にマレーシアに来て、これまでの登山経験は、931メートルの六甲山が最高峰でした。
マレーシアにきてから(ロック)クライミングを始めましたが、登山とは無縁の生活をしていました。
むしろ長距離戦の山登りは苦手だと思っています。
Q.今回キナバル山に登ると決めた理由はなんですか?どちらかと言えば苦手ということでしたが・・・。
ASEAN最高峰のキナバル山がマレーシアにあることは知っていましたが、自分が赴任中に登ることはありえないと思っていました。
でもある日アウトドア友達が「せっかくの機会だし登ろうよ!で、いつ行く?」と具体的に日程を詰められて、、、ノリで申し込んだのが正直なところなんです!
Q.今回のキナバル山登頂の旅程を詳しく教えて頂けますか?
旧正月休暇である2月1日~4日の3泊4日で行ってきました。6名(女性4名、男性2名)で行ったのですが、全員の都合のつく日程が旧正月だったのです。
キナバル登山ツアーは人気なのでKLにある日系の大手旅行代理店を通じて5ヶ月前には予約をいれました。
主な日程をお伝えすると、
<日程>
1日目 キナバル山麓到着、登山ゲート周辺に宿泊
2日目 1,867mの登山地点から登山開始
3,273m地点まで登山、宿泊@Laban Rataゲストハウス
3日目 4,095m地点にあるロウズ・ピークに山頂アタック、
下山(コタキナバル市内で1泊)
4日目 KLに戻る
でした。
Q.当日までどのような準備・トレーニングをされましたか?
いきなり4,000メートル級の登山をするのは自信がなかったので、身体を慣らすために4回練習登山をしました。
ほぼ毎週末、友達に付き合ってもらいKL郊外で登山をしていました。
あとは階段が多いと聞いていたので、数ヶ月前から下半身を主に鍛える筋トレをしました。
Q.登頂用のグッズはどのように準備されましたか?
登山ウェア上下、機能性スパッツ、レインウェア上下(ゴアテックス)、フリース、ダウン、帽子、手袋、ネックウォーマー、リュック、ステッキ、登山靴(靴下)を購入。自分に合う物がレンタルできるか分からなかったので、レンタルは考えていませんでした。
Q.全体の費用感も併せて教えてもらえますか?
登山装備15万円、キナバル登山旅行代5.5万円(2泊3日)、KLからKKまでの旅費2.5万円(往復のフライトとKK市内1泊)。
私の場合は、登山の装備を何も持っていなくて、一から全て揃えたので、総額15万円位かかりました。
日本で購入した方が種類もサイズも豊富ということだったので年末の一時帰国時に大人買いしました(笑)
初期投資は掛かりましたが、登山用の装備は機能性を兼ねているので、今後他のアウトドアでも使うことが出来て重宝すると思っています。
旅行代は2泊3日ですが、2泊分の宿泊費用、現地の登山ガイド2名(義務)、朝昼晩の食事代、入場料、登頂証明書発行手数料等全てが含まれています。
Q.それぞれの日の思い出や出来事など記憶に残っていることを教えて頂けますか?
<1日目:充実の休憩所、痩せる登山者と太るリス>
今回私は2泊3日の登山ツアーでした。
登山コースは、キナバル到着日(1日目)は登山出発地点の最寄りの宿泊施設(標高1,867m)に泊まります。
2日目に宿泊施設近くの登山ゲートから出発し、その日の宿となるLaban Rataゲストハウスのある3,273mのところまで標高差約1,400mを半日かけて登ります。
この間感動したのは、ゲストハウスに到達するまでの間に7ヶ所の屋根付き休憩所(トイレ付)がありとても充実していたことです。
疲れたり、お手洗いに行きたくなったりしたらどうなるのかと心配でしたが、30分~45分の頻度で休憩所があったので、エネルギーをチャージして次に進めました。
登山はエネルギーを相当消耗するのか、合間でお菓子のモグモグタイムで食べても痩せていっている感じがしました。
でも休憩所周辺に沢山いるリスは餌付けされていてブクブク太っているのが印象的でした…。
<2日目:暖かいロッジと極寒シャワー>
2日目は16時ごろに標高3,273mのロッジに到着します。
中腹にあるロッジは二段ベッド、懇談スペース、食事も温かいビュッフェが用意され売店もありとても充実していました。
日本の登山コースでここまで充実したロッジはなかなかないそうです。
ロッジからは夕焼けに染まるキナバル山や、迫りくる雲海、映画「君の名は。」に出てきそうな黄昏時が一望できて、自然の雄大さに改めて感動しました。
この時点で既に疲労困憊でしたが、壮大な景色をみてあと一日頑張ろうと思えました!
しかしシャワーが冷水しか出ず、外気が10度を切っているなかで冷水を浴びるのはなかなか勇気がいるもので、シャワーを浴びた後はホッカイロで全身を温めていました…。
シャワーがあるだけ恵まれていると思うことにしました。
<3日目:暗闇の登頂アタックと輝く星空>
3日目は深夜1:30に起床、2:00に登山開始でした。
何が悲しくて深夜から寒い山を登るのか、もはや全く理解できないまま登山初心者は言われるがままに出発しました。
が、数百メートル経ってから空を見上げるとKLでは見たこともないような一面の星空がキラキラと輝いていて、また深夜から感動しました。
その後どうにか山頂までたどり着いたのですが、登頂直前に私が腰痛を発症してしまい、ペースが遅くなったため残念ながらご来光を頂上で拝むことは叶いませんでしたが、9.99合目位でご来光を見ることができました(笑)
Q.これからキナバル山登頂をしようとしている方々にアドバイスや注意点などあれば教えて頂けますか?
キナバル登山は1泊2日のプランもありますが、高山病にならないためにも2泊3日のプランをお勧めします。
一気に気圧が下がると高山病になり易いと言われているので、山の中腹で2泊することで身体と呼吸が慣れてきます。
また予防のために、登山前には水分を多く採り(一日2リットル)、効くと信じて「食べる酸素タブレット」なんぞも摂取しました。
お陰で頭痛も発症しませんでした。
でも万が一高山病に掛かったら、無理をせずに下山してください。
合計すると18時間登山をしているので、体力はやはり使います。
事前の練習登山や日々の筋トレは基礎体力をつける意味で役に立ったので、ある程度は体力をつけて登るといいと思います。
Q.最後になりますが、キナバル山を登り切った感想を改めてお願いします!
最初はこんな初心者の私が登れるのかと心底不安でしたが登山好きの上司の「山は裏切らないから安心して飛び込んできたらいいよ」という声を胸に行きました。
緊張から始まった登山ですが、キナバル山はサバ州政府も観光資源として力を入れていることから、登山道が整備されていて、休憩・宿泊施設も充実していることに加えて登山ガイド2名(義務)がついてくれるので時間管理や体調管理等も含めてケアをしてくれます。
また、南国の植物、動物、眼下に広がる雲海等マレーシアの大自然が体験でき、とてもおすすめです。
是非一度裏切らない山にダイブしてみてください!
海やビーチだけじゃないマレーシア観光
マレーシアと言うと海!ビーチ!!と思っているという人が多いかもしれませんが、今回の登山レポートのように山やジャングルも観光地としてとても有名です。
インタビューの中で教えて頂いたように、登山経験が物凄いあるわけでなかったとしても、海外からくる人たちも楽しめるように現地でのサポートがかなりしっかりしているので、安心して登ることができるのではないでしょうか?
他にもキナバル山を登ったことがある友人が数名いるのですが、みんな口を揃えてやってみてよかったと言います。
日本からの中・長期旅行者も、近隣諸国からの旅行者も、また、既にマレーシアに移住や駐在した入りしてる人も、是非キナバル山に挑戦してみてくださいね!!