マレーシア生活

マレーシアの『デジタルノマド/フリーランス用ビザ』概要 ~2022年10月1日から申請受付開始!~

2022年10月1日からマレーシアでデジタルノマド/フリーランス用のビザ(DE Rantau Nomad Pass)の申請受付が開始されるという発表がMalaysia Digital Economy Corporation (MDEC)よりありました!

各国がパンデミックを経験する中で、競ってデジタル人材・投資家を呼び込もうと様々なビザを開始・強化しようとする中、マレーシアではこのデジタルノマド用ビザが呼び込み施策の中心になっていくのではないでしょうか(MM2H系はなぜか反対に厳しくなっていますし、、)。

記事内にてマレーシアでノマド/フリーランスとして働くことができるビザ(DE Rantau Nomad Pass)についてまとめましたのでご参考ください!

かっしー
かっしー
記事後半に本件に関するMDECのウェブサイトを張り付けていますが、私なりに日本語でまとめてみました!

なぜマレーシアでノマドなのか?

MDECによって”デジタルノマドにとってのマレーシアの良さ”が以下のようにまとめられています。

在宅仕事・オフィス環境に縛られず様々な場所で働くことができる

これについては様々に解釈できると思いますが、

マレーシア国内旅行で山や海に旅行で出かけつつ、出先で仕事を継続する、、ということであったり、特に首都KLではカフェ環境が昨今かなり充実してきているので、本当にどこでも仕事はできると思います!

日本からだと行きづらい綺麗なビーチなどもあるので、仕事をしながら行きたいビーチ全制覇!!などもできるかもしれませんね。

多文化共存の国でありながら、多くの人が英語を話すことができる

MM2Hや母子留学でマレーシアを選ぶ方々も、この”英語が通じる”というポイントを良く挙げられます。

生活周りで英語が通じるというのはやはり非常に助かりますし、せっかくだし友人が出来たらいいな、、という人にとっては大きなアドバンテージだと思います。

また、今英語ができないからこそ、語学にも挑戦したいという人にとってもマレーシアはとっつきやすい国だと思います。

治安が良く犯罪率が低い

治安はそんなに悪いとは思いませんが、あくまで相対的な話だと思います。

私自身は15年住んで何か危ない経験をしたということはありませんが、軽犯罪はそれなりに起こっています。

日本ではありませんし常に用心は必要です!

デジタルノマドビザ”DE Rantau Nomad Pass”の申請条件は?

MDECによるデジタルノマドの定義

DE Rantau Nomad Passは、Professional Visit Pass(通称PVP)区画のビザとなり、一般的に以下のような人たちのビザとなります。

  • テック系/IT系フリーランス、独立系コントラクター
  • リモートワーカー(フルタイム or パートタイム)、マレーシア国外の企業に所属している場合も可

専門性について

”デジタル”なので以下のような専門性が前提にされますが、

  • IT(ソフトウェア開発、ブロックチェーン、AI、機械学習、UX、UI、など)
  • デジタルマーケティング
  • デジタルコンテンツ制作

MEDCの元サイトを見ていると、エンジニアからマーケッターなど幅広い解釈の中で、ちゃんとITです!テックなんです!と言えるような専門であれば概ね大丈夫な気がします。

契約・業務証明について

  • テック系/IT系フリーランス、独立系コントラクターの場合の証明方法

業務に関する有効な契約書 、3か月以上の契約(複数の契約所持可)、業務依頼者はマレーシア企業でも外国企業でも可

  • リモートワーカー(フルタイム or パートタイム)の場合の証明方法

業務に関する有効な契約書 、3か月以上の契約、雇用主は非マレーシア企業のみ可

必要年収について

24,000USD以上が必要となります。

近年MM2Hにおいては要求される所得や預金残高がどんどん厳しくなっていたところだったので、優し目の数字設定となりかなりびっくりです!

ビザ取得費用

内容を確認する中で最もびっくりしたのですが、

本人/主要ビザ:1,000マレーシアリンギット

配偶者ビザ(配偶者の帯同可能です!):500マレーシアリンギット

という取得費用についてです。

かなりお手頃な気がします!!!

その他特徴

  • 基本的には3か月から12カ月の間マレーシアに滞在するためのビザ
  • 初回のビザ期間終了に際して追加で更に12カ月滞在のための更新が可能

敢えて甘く想定すると2年ビザ(?)のようにとらえられますね!

DE Rantau Nomad Pass/デジタルノマドビザに関してのよくある質問

以下のサイト内で DE Rantau Nomad Pass のよくある質問がまとめられています。

https://mdec.my/wp-content/uploads/2022/09/DE-Rantau-Pass-FAQ-Foreign-Ver.1.0-011022.pdf

下記にて日本語でまとめておりますが、適宜アップデートされるかと思いますのでオリジナルのFAQも合わせてご参照ください。

ビザについての一般的な質問

Q1: DE Rantau Nomad Pass って何?
DE Rantau Nomad Pass はPVPビザの一種で、海外のデジタルノマドの人達がマレーシア国内で働き、旅行できるように設計されたものです。
Q2: 誰が申請できますか?
デジタルフリーランサー、IT関連リモートワーカー(ソフトウェア開発、UX、UI、クラウド、ブロックチェーン、AI、など全般)、デジタルマーケティング、クリエイティブ/デジタルコンテンツなどが該当します。
Q3: どのような種類のビザになりますか?
PVPの一種で、3カ月から12カ月のマレーシア滞在が許可されます。追加で更に12カ月の滞在申請が可能です。
Q4: 申請時に申請者はマレーシアにいる必要はありますか?
申請時に申請者がマレーシアにいる必要はありません。
Q5: どんな国籍の人でも申請できますか?
原則全ての国籍の方が申請可能です(イスラエル市民についてはマレーシア内務省の許可が必要)。
Q6: 申請に最低年齢は適応されますか?
申請者は18歳以上である必要があります。
Q7: 家族を連れてこれますか?
近親者のみ帯同が可能です。
Q8: 配偶者はマレーシアで働けますか?
マレーシア国内の就労はできません。
Q9: 配偶者と申請者は同じタイミングでマレーシアに入国する必要がありますか?
ビザ取得後に申請者と配偶者の入国タイミングは必ずしも一緒である必要はありません。申請者が先に入国し、追って配偶者が入国するという流れでも問題ありません。
Q10: DE Rantau Nomad Pass を取得することにどんなメリットがありますか?
DE Rantau Nomad Pass を持つ事でマレーシア国内で自由に旅行したり仕事をしたりできることに加え、DE Rantau のメンバーのためのサービスやバウチャー、プロモーションなどを受けることができます。
Q11: DE Rantau Nomad Pass はマルチエントリービザですか?
マルチエントリービザです。
Q12: 申請時にパスポートの有効期限が短い場合はどうなりますか?
DE Rantau Nomad Pass 申請時点でパスポートの有効期限が14カ月以上残っている必要があります。その期間を切っている場合にはビザ申請前にパスポートを更新してください。
Q13: DE Rantau Nomad Pass でマレーシア国内の銀行口座は開設できますか?
DE Rantau Nomad Pass はPVPの一種であり、マレーシアの銀行は通常PVPの所有者に銀行口座の開設を許可しません。必要に応じて銀行に確認して下さい。 
Q14: 親が DE Rantau Nomad Pass を所有している場合、子供は学校に行けますか?
学校が求める要件は様々なので学校側と確認して下さい。
Q15: DE Rantau Nomad Pass でサバ・サラワクに滞在はできますか?
本ビザは現在マレー半島に滞在用のビザとなっています。サバ・サラワクに渡航することは可能ですが、旅行者としてのエントリーになります。

ビザの申請について

Q1: DE Rantau Nomad Pass はどこで申請できますか?
https://mdec.my/derantau/foreign/ にて、オンラインでのみ申請可能です。
Q2: 申請にかかる期間はどれくらいですか?
必要な書類が全てある前提で4週間以内で処理されます。これに続き、移民局におけるビザ発行作業が1週間以内に完了されます。
Q3: 24,000USドル以上の給与証明はどのように行えば良いですか?
契約やインボイス等で契約期間や請負金額/所得について証明することになります。
Q4: 私はフリーランスでデジタルコンテンツを制作していますが、顧客との契約を所有している訳ではなく、デジタルコンテンツのプラットフォームから所得が発生しています。この所得をビザ取得のための所得証明に使用することはできますか?
まず、フリーランスでデジタルコンテンツを制作していることを証明する必要があります。その上で当該プラットフォームから24,000USドル以上の収入が発生していることを証明してください。
Q5: 申請は母国語で行うことはできますか?
全て英語で行われる必要があります。
Q6: ビザ申請に対し許可が出た際の”許可の有効期間”はどれくらいになりますか?
許可の有効期間は6カ月であり延長不可です。
Q7: 申請状況はどのように確認できますか?
https://mdec.my/derantau/foreign/ で申請状況が確認できます。
Q8: スポンサー/身元引受人とは何ですか?誰がなれますか?
スポンサー/身元引受人は、申請者のマレーシア滞在実態を確約できる機関です。マレーシア登録の機関・企業である必要があります。

自身でスポンサー/身元引受人を探すことができない場合は、MDECに対しデポジットを払いそのための契約を結ぶことができます。
Q9: スポンサー/身元引受人について必要な書類はなんですか?
保証状か宣言書が必要となります。
Q10: DE Rantau Nomad Pass 申請が却下された場合にはどうすれば良いですか?
却下された日から6カ月以内であれば再申請を行うことができます。
Q11: DE Rantau Nomad Pass 申請が却下された場合に支払った費用は戻ってきますか?
発生した費用の75%が返金されます。
Q12: 必要資料の提出やビザの受け取りなど、実際にやり取りする機関はどこになりますか?
必要書類の準備・提出については、”Malaysia Digital Economy Corporation Sdn Bhd” 2360 Persiaran APEC 63000 Cyberjaya Selangor Darul Ehsan とやり取りすることになります。

ビザの受け取りは、”Expats Service Centre” 2nd Floor, Prima 8, Block 3508, Jalan Teknokrat 6, Cyber 5, 63000 Cyberjaya, Selangor Malaysia です。
Q13: DE Rantau Nomad Pass が切れたらどうなりますか?
期限前2か月の時点で再申請が可能です。
Q14: DE Rantau Nomad Pass に更新に必要な資料は何ですか?
1. パスポート全頁のコピー 2. プロセス費用の支払い証明 3. 3か月以上の契約を証明するもの
Q15: 更新にはどれくらいの期間がかかりますか?
必要な書類が全てある前提で4週間以内で処理されます。これに続き、移民局におけるビザ発行作業が1週間以内に完了されます。
Q16: DE Rantau Nomad Pass が承認された後、ビザは実際にどこで受け取ることになりますか?
“Expats Service Centre” にパスポートと必要費用を支払い、その後1週間以内に受け取りになります。
Q17: 現在はEPでマレーシアで就労していますが、EPが切れたら DE Rantau Nomad Pass の申請ができればと考えています。どのような流れで行えば良いですか?
マレーシア滞在のまま申請が可能です。現在の雇用主からのリリースレターが必要となります。
Q18: 現在は学生としてマレーシアにいます。卒業に合わせて学生ビザから DE Rantau Nomad Pass へ変更することはできますか?
マレーシア滞在のまま申請が可能です。学校からリリースレターと公式の成績証明を取得してください。

支払いと税金について

Q1: 申請の費用構造はどうなっていますか?
本人分の申請は1,000RM、配偶者の申請は500RMとなっており、そこにSSTが合算されます。また移民局に対しての費用が4半期毎に90RMとなっています。これらの費用は、Malaysia Digital Economy Corporation Sdn Bhd への支払いとなります。
Q2: マレーシアで納税する必要はありますか?
現段階においては、Section 7 of Income Tax Act 1967 for individual and permanent establishment under
Double Taxation Agreement (DTA) for enterprises に基づきマレーシア国内での納税義務はありません。
Q3: MDECが身元引受人の場合、保証金の支払いはありますか?
申請費用とは別に申請者の国籍に応じてデポジットを支払う必要があります(日本人の場合は1,000RM)。ビザ期限終了と合わせて払い戻されます。

最後にちょっとした注意点

この記事は申請開始予定の2022年9月時点での記事なので、10月に申請が始まってみたら何かしら要件に変更が入ることは大いにあり得ると思います。

特にマレーシアにおいては”申請が可能であること””実際にビザが下りること”は分けて考えなければならないので、9月の現段階においてはテンションの上げまくるのには少し落ち着きが必要なタイミングだと思います。

また、あくまで個人的な見解ですが、本ビザはかなりゆるゆるな設定な気がしており、申請が殺到しすぎてルール変更や必要所得のアップなどの調整がある可能性は高いんじゃないかなと思っています。

とは言いつつも、マレーシア長期滞在希望者には絶好のチャンスではないでしょうか!

都度都度MDECの↓のサイトを確認してくださいね!

『For Foreign Digital Nomad – MDEC』

https://mdec.my/derantau/foreign/