申請していたタレントパス[Residence Pass-Talent(RP-T)]が先日無事に承認されたので、備忘録的な意味も兼ねてタレントパスの紹介記事となります。
このビザのことをレジデントパスと呼ぶ人もいますが、細かい話をするとレジデントパスと言われるものは複数カテゴリーあり、
マレーシアで企業を経由せず自分自身に紐づけて生活・仕事をするためのものは、「-Talent」とつくものなので、私自身はタレントパスをいう呼び方をしていて、本記事内でもタレントパスという単語を使用します。
マレーシアに長期で住むにあたってMM2Hなどリタイアメントビザの取得も良いのかもしれませんが、私個人の感覚としては、
結局”マレーシアで何かしたくなる”のであれば、何をどのように切り取られても文句のつけられようがないタレントパスの取得は、特に既にマレーシアで仕事をしている人にとっては狙う価値のあるビザではないでしょうか。
各々のライフプランニングによって合う合わないはあるのかもしれませんが、私個人のマレーシア生活にとってかなり重宝するビザだと思っているので、長期でマレーシア在住を考えている方は是非ご参考下さい。
タレントパスが生まれた背景
タレントパスは2011年、マレーシア内務省と移民局の主導によって、マレーシア社会・経済にとって有益な高度人材外国人が長くマレーシアに居住しやすいようにとの意向で開始されました。
現在の申請対応窓口は人的資源省管轄のTalent Corporation Malaysia Berhad(以降タレントコープ)となっており、申請時にはタレントコープのウェブサイト上で資料をアップデートしたり質問したりという形になります。
専門性の強い外国人人材がマレーシアに長期で居住しやすいように、、という意図がありつつも、”今は全然使う予定がないけどとりあえず申請”のような流れが一時あったようで、
無意味な新規発行を避けるために、承認プロセスが前程簡単ではなくなっているようですし、申請時点で最低条件が全て整っていることが何度も説明されています。
タレントパス取得のメリット
実際の仕事の仕方や税制面、経営者として取得するかどうかなど、細かいタレントパスの応用方法は各々が自分で考えるとして、提示されているタレントパス取得の大きなメリットは以下になります。
- マレーシアに10年間に渡り居住・仕事ができる(更新可)
- 企業経由のビザ取得ではなく自分自身に紐づいたビザ取得となる
- 主申請者がタレントパス保有する場合、配偶者・子供もタレントパスを保有することができる
- 配偶者がマレーシアでの就労を希望する場合、タレントパスにより就労が許可される
- 18歳未満の子供がマレーシアで就学できる(Tertiary Education/高等教育は除く)
実際に住み始めた後にじわじわ気づいてくるのかもしれませんが、しれっと書いているこれらの項目は、長期居住希望者にとって相当強力で、海外の地で自身・家族のライフプランを設計しやすいビザになります。
タレントパス申請可能条件
実際に申請を行なおうとすると”これらは最低ラインです”のような記述を目にすることになります。
これらを満たしてなくても無くてもダメ元で申請、、のようなことはできないので注意です。
以下の最低条件をクリアしているか
- 申請時点でマレーシア国内で3年以上(連続で)仕事をしている
- 申請時点で有効な就労ビザが3か月以上残っている
- ボーナスやインセンティブを除いて固定給として最低15,000RM以上の月給がある
- マレーシアで所得税番号を持っていて、過去2年間以上の個人所得税の納税実績がある
- 過去2年間の納税額が最低必要月収(=年間で180,000RM)をベースにしたものを上回っている
- 学士、修士、博士、以上の学歴があるか、専門性のある教育機関を終了している
- 最低5年間の就業経験がある
これらはタレントパス申請のための最低条件であり、これらの条件をクリア=承認とはならないので注意です。
申請の際に必要な資料(主申請者用)
実際にはタレントコープのシステム上でアップロードする形でデータとしての提出となるので、物理的にプリントアウトする必要はありません。
申請に際してタレントコープのサイト上にアカウントを作りますが、そこから↓の必要書類のサンプルをダウンロードすることができます。
- パスポートの全てのページのカラーコピー(過去のパスポートも全て必要です。)
- 最新のレジュメ
- 卒業証書(日本語の卒業証書の場合には大使館にて翻訳をしてもらう必要があります。また、認証作業も併せて行ってもらう必要があります。)
- 青背景の顔写真 3.5×5.0cm or 99x142pixels(実際にはデータでの提出になりますので、自分で色々作業して画像データを作りました。)
- 雇用契約/Employment Contract – LHDN Malaysiaのスタンプが必要(LHDNのウェブサイト上で雇用契約にスタンプを取得するための申請を行うのですが、このサイトはいろんな意味で難易度が高く、もし周りにLHDNのサイトを使ったことがある人がいるならサポートしてもらうのがベストです。)
- 職務記述書/Job Description(勤め先のレターヘッド付きでの準備になります。)
- 過去2年間の納税証明(2年分のe-BE & EA Formが必要です。)
- 最新3か月分の給与証明/Salary Slip
- No Objection Letter(勤め先が”従業員個人のタレントパスの取得に異議が無いこと”を証明するためのもの。マレー語である必要があります。)
- 現地の友人などの本人証明カード・MyKadのカラーコピー(裏表)
- Local Sponsor Form/現地での後援者・身元引受人(↑MyKadの人と同一の人にサイト内で取得可能なテンプレートを元に書いてもらう。21歳以上のマレーシア国民である必要があります。)
- 推薦状/Testimonial(勤め先のディレクターと同等以上の立場の人より準備をしてもらいます。)
- その他の審査に役に立ちそうな資料
その他の審査に役に立ちそうな資料について
必要資料として明記されているものがまずは最低限の必要事項となり、その他の”審査に役に立ちそうな資料”や”評価に値しそうな資料”はやはりあったほうが良いと思います。
良く言われるのが、”Recommendation Letter”(前述のTestimonialとは異なります)の存在です。
タレントパスを取得したことがある人達の大まかな意見としては、このRecommendation Letterの”力”が強ければ強いほど審査に通りやすいのでは、、、とのことです。
私自身はかなり強力なLetterを取得しましたが(Local Sponserに依頼しました)、これが無くても審査を通過した人もいて、噂に聞くような”絶対条件”ではありません。
また、マレーシア国内・国際的に認知されているような専門資格のCertificateも追加事項としてアリだと思います。
他にも、マレーシア国内の様々な団体と活動をしていることやその団体での役職の情報の加筆で、マレーシアへの社会・経済貢献のができているのではないかというアピールもアリではないでしょうか。
タレントパスが取得しやすい分野
タレントパス取得の際のガイドラインにてマレーシアの経済成長のカギとなる”国家重点経済分野”で仕事をされる人・申請する人は、相対的に取得できる可能性が高いと説明されています。
以下の分野でなければダメということはないはずですが参考までに。
- オイル、ガス、エネルギー関連
- パームオイル、ゴム関連
- 観光関連
- 教育関連
- 医療関連
- 金融サービス関連
- インフラ、コミュニケーション関連
- 電子・電機関連
- 農業関連
- リテール関連
タレントパスの申請に際して頭に入れておくべきこと
タレントパスの審査におけるセンターピンは、”マレーシア経済・社会に貢献してきたか?”、”今後も貢献していけそうか?”です。
ですので、私自身のレジュメにはそれに関係することをしっかり書きましたし、Recommendation Letterを準備してくれた方にも、”マレーシアへの貢献具合”をLetter内容に書き加えてもらいました。
提出内容に虚偽事項があってはならないと思いますが、申請の際には最大限「まあ、こいつはマレーシアに長くいてもいいかな。。」と思ってくれるためのネタはどんどん盛り込んでいくべきだと思います。
以下のタレントコープのサイト内で、本ブログ記事と同等の内容や、申請時の流れなど、一通り大事なことがまとめられているので合わせてご参照ください。
また、実際に申請を考えている人は、アカウント登録後にサイト内のチャットボックスで問合せができるようになります。
タレントコープ側のレスのスピードは全然悪くないので、そちらから適宜問合せすると良いと思います!