毎年恒例のe-Filing(確定申告)の時期がもうすぐ始まります。
控除項目は多岐に渡っており、一つ一つの控除上限額はそれほど高くなくても束になると最終的な課税所得に結構な差を生みます。
マレーシアの税制上の居住者の方は積極的に控除をして還付金をゲットしましょう!
本記事は2022賦課年度用です(つまり2023年の3,4月頃に行う確定申告用となります)。
2024年E-Filing(2023賦課年度の確定申告)は以下を参照ください。
2022賦課年度の所得控除項目
自身の控除&配偶者控除
- 基礎控除
e-Filingを進める中で自動的に9,000RMの基礎控除が反映され課税所得の計算が行われます。
基礎控除ついては自動で計算されるのでそれほど気にしなくて大丈夫です。
- 教育費控除(自身)
マレーシア国内の大学や大学院での勉強をする場合、
7,000RMまで控除が可能です。
また、自身の専門性を高めるためのプログラム・講座を受ける場合、
2,000RMまで控除が可能です。
- 配偶者控除
配偶者に所得が無い場合、
4,000RMの控除が可能です。
医療費控除
- 医療費控除(両親の医療費)
両親に医療費が発生しそれを負担した場合、
8,000RMまでの控除が可能です。
- 医療費控除(自身と配偶者の医療費)
自身や配偶者が治療困難な病気(例:ガン、白血病、心臓病、腎不全、AIDS、臓器移植、重度の火傷、アルツハイマー病など)の医療費に対し、
8,000RMまでの控除が可能です。
また、不妊治療(IVFとIUI)も同様に対象となります。
- 健康診断&ワクチン費用控除(自身と配偶者)
健康診断費用、Covid-19の検査費用、ワクチン費用、心理カウンセリング費用に対し、
合算で1,000RMまで控除が可能です。
対象ワクチンは以下の通りです。
>肺炎球菌ワクチン
>HPVワクチン
>インフルエンザワクチン
>ロタウイルスワクチン
>水痘ワクチン
>髄膜炎菌ワクチン
>TDAP三種混合ワクチン
>Covid19ワクチン
ライフスタイル控除
- 基礎ライフスタイル控除
以下の項目より合算で2,500RMまで控除が可能です。
>書籍、雑誌、新聞(全て電子版を含む)の購入費用
>パソコンやタブレット、スマートフォンの購入費用
>スポーツ用品の購入費用やジムの会員費用
>インターネット契約費用
- 追加ライフスタイル控除①
パソコンやタブレット、スマートフォンの購入費用について、基礎ライフスタイル控除に追加で
2,500RMまでの控除が可能です。
- 追加ライフスタイル控除②
スポーツ用品の購入費用について、基礎ライフスタイル控除に追加で
500RMまでの控除が可能です。
育児・養育費控除
- 幼稚園&託児所への出費に対する控除
子どもが幼稚園や託児所に行く場合、
3,000RMまでの控除が可能です。
父親・母親どちらにも所得がある場合には、この控除は父親・母親の”どちらか”のみ利用可能です。
- 未成年の子供に対する控除
子どもが18歳未満の場合、子供一人につき
2,000RMの控除が可能です。
父親・母親どちらにも所得がある場合には、この控除は父親・母親の”どちらか”のみ利用可能です。
- 教育費控除
>18歳以上の未婚の子供がファンデーションコースに通う場合、
2,000RMまでの控除が可能です。
>18歳以上の未婚の子供がフルタイムで大学・大学院に通う場合、
8,000RMまでの控除が可能です。
- 搾乳機購入費の控除
1,000RMまでの控除が可能です。
この控除項目は母親のみ利用可能です。
EPF・保険料控除
- 生命保険料控除
加入している生命保険の保険料に対し、
3,000RMまでの控除が可能です。
- 医療保険料控除
加入している医療保険の保険料に対し、
3,000RMまでの控除が可能です。
- EPF控除
マレーシアの年金、EPFへの積み立て額に対し、
4,000RMまでの控除が可能です。
- PRS控除
Private Retirement Scheme (PRS)への積立額に対し、
3,000RMまでの控除が可能です。
マレーシア国内旅行費用控除
- 宿泊費や入場料の控除
マレーシア観光省に登録されている宿泊施設での宿泊料や観光スポットでの入場料に対し
1,000RMまで控除が可能です。
所得控除についてのまとめと注意点
所得控除項目については、マレーシアの税務当局のウェブサイトでも確認が可能です。
所得控除を利用できる人は税制上マレーシアの居住者であることが前提となります。
また、7年間は控除項目に対し証明できる状態を保つ必要があります。
マレーシアに数年在住し、その後日本へ本帰国する場合や第三国へ引っ越しする場合など、マレーシアからの撤退時に”数年遡っての証明”を外国人の立場として要求されがちです。
このことに注意しながらうまく所得控除を行い課税所得額を圧縮して還付金を受け取りましょう。