経済的に裕福な人生を目指したいと考える時に、調べだすとオンライン上の様々な”煽り情報”が目に入ってくるかと思います。
”近道”や”裏道”、”短期間”であなたはお金持ちになれる!のようなコンテンツは昨今溢れかえっています。
Lachlan Brown という研究者が「その辺実際どうなのか?」
「短期間でお金持ちになろう決めてなった人はどれくらいいるのか?」「再現性が伴う手法はあるのか?」
を研究し、経済的に裕福な人生を送っている人がほぼ間違いなく行っている、ネット記事で見るような”XXつの共通事項”にたどり着きました。
研究内容を読んでみると、結構ありきたりと言えばありきたりだったのですが、同時に、昨今の資産形成層にとっては忘れてしまっていて気をつけなければならないことが多数あると感じました。
”近道”が好きな人にとっては面白くない話かもしれませんが、1人は上手くいくかもしれないけど残りの99人は上手くいかない、のような再現性の低い話ではなく、
多くの人が経済的に裕福な状態に近づくための(ある種面白くない)共通の行動・思考パターンについて大事な再確認の記事となります。
裕福になる人(とならない人)の共通点
複利より収入

資産運用・資産形成の話となると、いかに複利が大事か&時間を掛けることが大事か、が強調されますが、
実際には収入を上げることに努めず、金融市場におけるリターンだけで裕福になるのは実際には非常に難しいという話です。
極端な例ですが、1万円が5%増えるのと、100万円が5%増えるのと、1億円が5%増えるのでは生まれる結果が全然違いますよね、という観点です。
これは非常に大事な観点で、仮に収入は上げないけど資産運用でより大きなリターンを出して裕福になろうとすると、”裏技”のように見えて結局詐欺だったり、資産規模を膨らませるのに非常に大きなリスクを取らないといけないものに近づいていきます。
そのようなものを行うと、結果的に大きく資産を減らしたり、場合によっては全て失う、、、というようなことが起こり得ますし、これは私の知ってる範囲でも実際に起きていることです。
アドレナリンよりつまらなさ

アドレナリンがでるような刺激の強い投資やワクワクするような投資で裕福になった人は非常に限られています。
裕福になっている人の多くが”つまらない投資”で時間を掛けて資産を築いているということは、現代の人にとって欠如している観点です。
現代社会では何かと派手で目立つものが評価されたり、短い時間で大金を稼ぐというようなことが過度に重要視されていますが、そのような形で成功する人は時々現れるものの、皆にとって再現性があるかといえばNOです。
”急いでお金持ちになる”ことの価値が特に日本では蔓延っているように思います。
また、資産運用に面白さを求める人が多いのも日本人の特徴だと私は思っていて、これは結構危ない傾向だと考えています。
ワクワクするようなことは資産運用に持ち込むのではなく自分の人生・生活の中で行うべきではないでしょうか。
また、面白そうな投資・投機をやりたければ限られた資金で行うべきで、それを人生設計・ファイナンシャルプランニングに持ち込むべきではないという話で、
そこに時間やエネルギーを掛けるよりだったら前述にもある通り、”収入を上げる”ことに努めるべきです。
儲けることより失わないこと

資産運用の話となると”どうやってお金に働いてもらうか”が議論の中心になりがちです。
それはそれで間違いではないと思いますが、より大事なのは最悪の事態が起きた時に自分の資産がどうなるかについて考え、準備することです。
市況が毎年良い訳がないのにマイナスな年が生まれうるということを全く想定していなかったり、
これをすると何%増えるのような話は良くするけども、出資先が倒産した時にどう自分の資産がどうなるかは全く考えてないなど、
悪いことが起きた時の想定が十分されてないと感じることがあります。
常々私の仕事を通じて言っているのは、注意すべきは”価格リスク”よりも”発行体リスク”というポイントで、
その点を把握してもらった上で資産運用をしてもらうようにしていますし、私の管轄外のことであっても、発行体リスク(例えば会社がつぶれたらどうなるか)の確認はしてもらうようにしています。
このような発行体リスクのケアは非常に大事ですが、もちろん価格リスク(どれくらい価格が落ちる可能性があるか)についても考える必要はあって
例えば自分の運用(例えば1,000万円)が50%マイナスとなり評価が500万円となると、翌年50%プラスとなったとしても元には戻らず、750万円にしかなりません。
価格リスクを考える上でこのような観点も非常に大事だと考えています。
短期思考より長期思考

経済的に裕福になる人に短期思考の人はいないという話ですが、私自身も仕事を通じて”短期思考”について思うことがあります。
短期思考か長期思考かはいろいろな形で資産形成に影響を与えると思いますし、人生レベルでも大きく違ってくると思いますが、私が仕事を通じて感じる一つの例として
”利益を確定したがる”という思考パターンについてです。
例えば0から始めた人が資産形成活動がそれなりに上手くいって、1,000万円に到達したとします。
私にとってなぜそれをするのか理解できていないので言葉にも上手くできないのですが、1,000万円を大台だと思っている人はそこで利益確定をしてしまって運用を止めます。
1,000万円が最大・最後の目標の人にとってはもちろんそれで良いと思いますが、
反対に1,000万円が通過点である場合は利益確定をする意味が全く無く、何故か今の(短期思考で)1,000万円を確定させ手元に戻す、ということ行う人がいます。
あくまで一つの例ではありますが、このような形で長期で考えれない人は経済的に裕福になるのが難しいという研究結果です。
資産運用と個人感情

経済的に裕福になる人は、自分の感情が市況・世界景気に翻弄されうるものだと理解しています。
なので自分なりのルールを作ったり仕組みを作ったりして「決め事」により対応します。
自分の運用評価にダメージが発生している時、
過去を遡るとコロナショックやらユーロ危機やらリーマンショックやらまだまだ他にもショックと言われるものはありましたが、
これらを通過していく中で投資家として失敗したのは感情的に判断した人です。
特にマーケットが大きく動いている時はうまく立ち回ろうとしたりする訳ですが、実際にそれをうまく行えた人を私は一度も見たことがありません。
反対に、最終的に資産を大きくした人は粛々と運用を継続した人です。
世界の金融機関による様々な研究に、感情判断で動いた人がいかに資産形成でミスをしたり、運用結果に大きく悪い影響を出してしまっているかのようなデータが多々あります。
裕福になることを急かす社会の呪い
短い期間で(若い年齢で)人に自慢できるような裕福な生活を送りたいと思わせる近年の社会的な傾向性はもはや呪いだと思っています。
少々大げさかもしれませんが、これを目指すと多少なりとも韓国ドラマ『イカゲーム』に近い状態となり、ごく一部の人だけが最後までたどり着くゲームとなります。
経済的な豊かさをめざした結果過度に大きなリスクにさらされているケースもありますし、資産運用に面白さを持ち込もうとする人も結構多い気がしています。
本記事内にて裕福になれる人(となれない人)の5つの共通点を紹介しましたが、これらが一部でも自身に当てはまるようであれば、少し立ち止まって自分の状況を見直してみてもよいかもしれません。
