皆さんこんにちは、マレーシア在住ファイナンシャルアドバイザーのかっしーです。
日本の年金に関して財政検証が先日行われ、今後の経済展望や人口の推移を考慮すると将来年金はこうなる、、、という検証がされました。
なんとなく予想される人も多いかもしれませんが、あまり良い将来予測の結果とはなっておりません。
将来予測をいくつかのシナリオに分けて検証していくもので、既に現時点に置いて検証に使用された大半のシナリオでネガティブな予測結果となっています。
同時に年金2,000万円問題が生まれ(本件について政府は後日撤回しましたが)、じゃあどうすれば良いんだ、、、ということは現在不透明な状態です。
財政検証は国の”中”で判断する日本の年金の状態ですが、今回はBloombergでも紹介されている、”外”から見て日本の年金はどうなのか?についての記事となります。
グローバル年金指数ランキング
今回Bloombergで使われたのは、メルボルン・マーサー・グローバル年金インデックスで主な対象は先進国と中進国の合計37ヵ国です。
年金システムが退職後の家庭内の財政的な支えに直結しているか、持続可能な状態にあるか、社会で信頼・安心であると判断されているか、など40の項目を使用しランク付けが行われました。
実際にはAdequacy, Sustainability, Integrityという観点での評定平均で査定されています。
私が時々見ている神王TVでも今回のマーサーの結果に話しているのでチェックしてみて下さい。
トップ10の国はこちら
1位に輝いたのはオランダで2位はデンマークとなりました。
それぞれカテゴリーAとしてランク付けされ、定年・退職後の生活資金について十分に家庭を経済的に支える機能を持っているという判断結果となりました。
3位はオーストラリアでカテゴリーB+。
4位から10位までがカテゴリーBで、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、チリとなりました。
やはり上位は北欧の国が多い印象がありますね。
いわゆる先進国の代表のような国はほとんどランクインしていません。
アメリカとイギリス
そのいわゆる先進国の代表のようなアメリカとイギリスについてです。
それぞれC+のカテゴリーであり、イギリスが14位、アメリカは16位という結果となりました。
マレーシアに移住している私のイギリス人の友人達はイギリスの年金システムに対してはかなり悲観的な人が多いのですが、それでも37ヵ国中14位とランキング上は決して悪くはありません。
気になる日本は何位にランキングされたのでしょうか?
世界指標から見た日本の年金信頼度
日本はなんと、カテゴリーDの31位です。
カテゴリーDは”大きな欠陥・弱点があり改善されなければならない”というグレードに当たります。
財政検証を通して”内”からの判断で、将来の年金に関しては一定量の自助努力が必要という結果になりましたが、”外”の調査機関の判断でも、日本の年金システムは信頼に足らないという結果となりました。
評価は、Adequacy, Sustainability, Integrityがベースであると前述しましたが、つまり足りるのか?持続可能なのか?制度・法律の観点からみて安心できるのか?ということです。
つの項目に関してそれぞれAからEの採点を行う中で、
日本の年金制度のSustainability(持続可能性)は “E”
となり、年金制度における持続可能性の観点については、大学の成績で考えると落第も落第ということになります・・・。
マレーシアの結果
ちなみにですが、マレーシアの年金システムはカテゴリーC+という結果でした。
カテゴリーDについては、”大きな欠陥・弱点があり改善されなければならない”ですが、カテゴリーCは”持続性について改善の余地があるが、構造上良い側面も見える”です。
なのでこの指標ベースで言えば、現状はマレーシアの年金の方が日本の年金よりも信頼できるということになります。
時間があれば対策はできる
もちろん将来の心配を何もしなくて良いという状態が理想ですが、おそらくそうはならない、ということは目に見えています。
対策を今考えることで、後で大きく悩むことを避けることができるはずです。
状況を真正面から認識し、自分で準備をしていくことでしか解決はありえないと考えています。