2021年の3,4月には2020賦課年度分のマレーシア版確定申告’E-filing”が始まります。
きちんと所得控除を行うことで最終的な課税所得に大きな差が生まれます。
この記事では2021年賦課年度用(2022年の3,4月申告用)の控除項目も合わせて記載しております(賦課年度2020=YA2020、賦課年度2021=YA2021)。
それぞれ必要なタイミングでご参考下さい!
マレーシアで生活されている日本人に関係ありそうな項目のみピックアップしておりますのでご了承下さい。
2023年3,4月頃の確定申告用(2022年賦課年度用)は以下にて記事がありますので別途ご参照ください。
2020&2021賦課年度の所得控除項目
基礎控除 | 2020賦課年度:9,000RM
2021賦課年度:9,000RM |
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配偶者控除 | 2020賦課年度:4,000RM
2021賦課年度:4,000RM |
配偶者が障害を持つ場合 | 2020賦課年度:3,500RM
2021賦課年度:5,000RM |
扶養控除(18歳未満の子供) | 2020賦課年度:2,000RM
2021賦課年度:2,000RM |
扶養控除(18歳以上の子供が大学に進学の場合) | 2020賦課年度:8,000RM
2021賦課年度:8,000RM |
子供が障害を持つ場合 | 2020賦課年度:6,000RM
2021賦課年度:6,000RM |
生命保険控除 | 2020賦課年度:3,000RM
2021賦課年度:3,000RM |
EPF控除 | 2020賦課年度:4,000RM
2021賦課年度:4,000RM |
個人年金運用控除 | 2020賦課年度:3,000RM
2021賦課年度:3,000RM |
医療保険控除 | 2020賦課年度:3,000RM
2021賦課年度:3,000RM |
健康診断控除 | 2020賦課年度:500RM
2021賦課年度:1,000RM |
ワクチン接種控除 | 2020賦課年度:無し
2021賦課年度:1,000RM |
医療費控除(重病の場合) | 2020賦課年度:6,000RM
2021賦課年度:6,000RM |
ライフスタイル控除(スポーツグッズやPC、スマートフォン、書籍や雑誌の購入、インターネット使用料金など) | 2020賦課年度:2,500RM
2021賦課年度:2,500RM |
追加控除(スポーツグッズの購入やジムの会費) | 2020賦課年度:無し
2021賦課年度:500RM |
特別控除① | 2020年賦課度3月1日-12月31日の間に購入したPCやスマートフォン、タブレットに対し追加の控除2,500RMまで<2021年1月追記:この特別控除①は2021賦課年度も適応されることになりました> |
特別控除② | 2020賦課年度3月1日-12月31日の間に国内旅行をした場合の観光地での入場料やホテル滞在費用に対し追加の控除1,000RMまで(注:条件を後述)<2022賦課年度まで延長されることになりました> |
幼児控除(幼稚園への出費) | 2020賦課年度:3,000RM
2021賦課年度:3,000RM |
幼児控除(搾乳機購入分) | 2020賦課年度:1,000RM
2021賦課年度:1,000RM |
国内旅行に関する控除
新型コロナウイルスによって落ち込んだ国内景気に対する刺激策として、国内旅行で発生する費用に関連して所得控除が始まりました。
ただし国内旅行だったら何でも控除できるというものではなく、現地当局に認められているホテルや観光施設のみが適応となります。
それぞれ注意して所得控除に充ててください。
- 宿泊先に関しては、https://motac.gov.my/en/check/registered-hotel(Ministry of Tourism, Arts and Culture Malaysia)に登録されている場合のみ、所得控除に充てることが可能です。
- 観光施設に関してもMinistry of Tourism, Arts and Culture Malaysia に登録されている観光地である必要があります(政府のまとめサイトのようなものがおそらくないので自身で該当するのかを確認する必要があるかと思います!)
所得控除の際の注意点
マレーシアで所得控除を行うためには、税制上マレーシアに対し居住者であることが前提となります。
E-filingで控除を行う際に証拠を提出をする必要はありませんが、7年間は出費を証明できる必要があることになっています。
マレーシアの生活を終え、日本へ帰国する際の清算時に過去に行った所得控除の証明をしなさいと言われることが多々ありますので保管を徹底してください。
実際の控除例
私は仕事を通じて医療保険や生命保険、これらは全て所得控除のために利用できるものです。
私のお客様の中でも見られるような例として、
- 配偶者控除・・・・・4,000RM
- 扶養控除・・・・・・2,000RM
- 幼児控除・・・・・・3,000RM
- 健康診断控除・・・・500RM(2020賦課年度)
- EPF控除・・・・・・4,000RM
- 生命保険控除・・・・3,000RM
- 医療保険控除・・・・3,000RM
- ライフスタイル控除・2,500RM
あくまで一例ではありますが、これらを合算させると22,000RMの課税所得の圧縮となります。
私がサポートしている生命保険や積み立て運用を上記のような控除項目に利用されている人もいますね。
ライフスタイル控除、健康診断控除、医療保険控除など、マレーシアでお仕事をされる多くの方に該当するであろう項目が多々あるので、上手に課税所得を圧縮していきたいものです。
最後に、本記事はマレーシアのPwC社やErnst&Young社の資料を参考にまとめたものではありますが、実際の控除はマレーシアIRBの情報も照らし合わせつつ行って頂くようお願いいたします!