今回はマレーシアのお隣、タイの預金保護の話です。
預金保護は預金保険とも言いますが、日本でいうペイオフのことですね。
もし自分がお金を預けている銀行が倒産しちゃったら自分の預金はどうなるの!?というアレです。
日本では1金融機関、預金者1人あたり1,000万円まで保護されることになっています。
2021年の8月11日にタイ国内の預金保護のルールが非常に大きく変わったのでその紹介となります。
マレーシアの預金保護制度についても記事がありますのでよろしければご参照ください。
100万バーツになった銀行での預金保護
2019年までは1,000万バーツまで保護されていた
実はタイ国内の銀行預金に関して、少し時間を遡ると、2019年の8月までは1,000万バーツまでは預金が守られていました。
1,000万バーツはこの記事執筆時点(2021年8月時点)で3,300万円ほどです。
この額まではタイ国内で銀行預金をしている際に万が一銀行が倒産しても預金が保護されることになっていました。
この預金保護上限が2019年に既に修正されていました。
1,000万から500万バーツへ保護額が調整される
2019年の8月に保護額が改定され500万バーツになります。
500万バーツは現在約1,700万円ほど。
日本のペイオフ制度は1,000万円であるという認識からすると、1,700万円の預金保護は悪くない気もしますね。
そして2021年8月、タイの銀行預金の保護制度が更に大きく改定されることになりました。
タイ銀行預金の保護額が500万から100万バーツへ
なんと一気に保護額が5分の1となりました。
2021年8月11日からこの新制度は開始されています。
100万バーツというと、約330万円・・・。
この設定額と調整幅には非常に驚きました汗
タイの預金保護機構の調べでは、預金保護上限を100万バーツに設定し直したとしても、全体で見ると98%個人資産は保護の傘下に収まるとのことです。
【注意】タイバーツ(THB)のみの預金保護
日本を含む一部の国は自国通貨にのみ預金保護を適応させています。
タイに関しても、あくまで100万バーツまでの保護はバーツ通貨の形で預金されている場合に限るとのことです。
なのでタイ国内銀行で通貨分散を行うのはあまり得策ではないかもしれません。
資産の国際管理も視野に
今住んでいる国でお金を管理したり、資産形成したり、というのは一昔前までは普通だったのかもしれませんが、多様化するライフプランニングに合った管理・準備を取ろうとすると国内用の金融インフラだけでは限界が来ている気がします。
これはタイに限らずマレーシアも同様です。
それぞれの国にそれぞれの事情があるかと思いますが、状況にあった管理方法・資産形成の必要性が年々増しているように感じます。
例えば資産形成に関しては、将来の居住国に影響されずに行うことは既に多くの方が実践されていますし、
銀行預金に関しても、タイ国内専用の金融機関やマレーシア国内専用の金融機関だけでなく、国際金融機関・国際銀行という管理手段もあります。
国際銀行の預金口座開設サポートも既存のお客様にはさせて頂いております。
マレーシアではAML規制が強くなり、なかなかお金の管理が難しくなってきています。
タイの預金保護の上限に関してもこれ再度下がることは考えづらいですが、300万円程の保護上限では中々厳しい気もします。
住んでいる国の状況や法規制に応じて柔軟な対策を取っていきたいところです。