IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)という職種が徐々にアジア圏でも認識されてきています。
銀行などに属する所属型ファイナンシャルアドバイザーではないIFAという存在は、アメリカやイギリスでは長く知られていましたが、アジア圏や日本でも徐々にそのサービスが使われるようになってきています。
特にイギリスではIFAの立場は非常に高く、自社観点ではなく顧客の立場で物事を考えられるアドバイザーとして重宝されていますが、実のところはやはりピンからキリまで存在します。
大事なポイントは、物事を勉強し続けられているかということ、どれほどの倫理観・責任感があるか、ということですが、これらのポイントはフワっとしていて、利用者の立場からみたら差別化できないですよね。
なので今回の記事では、利用者から見てIFAをどのように判断するべきかについてのお話しをして行こうと思います。
様々な方がIFA利用についての記事を書いていてくれたりするので、そちらも参考にしつつまとめて行きたいと思います。
IFAを選ぶ際の注意点
投資の入り口ばかり考えていないか?
金融サービス業界の中には、いかに発生するコミッションを大きくするかだけを考えている人もいるかと思います。
最初は一生懸命だったのに契約後一気に雑になったというような方々のサポート依頼もしばしば頂きます。
資産運用の概念上、ある程度の時間が必要になります。
その過程において、こうなったらこうしましょうとか、このようなリスクは中長期でみればどうしても発生する(例:価格リスクや為替リスク)など、目の前の商品内容以外にも包括的な絵を描ける必要があるのではないでしょうか。
こちらの外部記事でも紹介されていますが、
記事内にある”良いIFAなら顧客から資産運用について具体的な投資戦略の相談を受けた場合に入口から出口までのシナリオが描けるものです。”
という言葉の通り、このファンドがどうか、とか、この額で始めるとこういうボーナスが出るとか、目の前のことばかり話す人は長期的なアドバイスができない、もしくはその能力がない、というIFAかもしれません。
長期的に関わる価値が双方に残るか?
IFAも人間ですので、責任感がある人もいれば無い人もいると思います。
そういう意味で、個々の人間性に影響される管理環境は避けるべきで、構造として、IFA側だけでなく顧客にメリット・価値が残るかという点は非常に重要です。
実際には利益相反が起きてしまっている場合も少なからず、この点は明確にするべきかと思います。
でなければ、前述のように販売までは一生懸命だったのに、開始後は質問をしても最低限の回答しかしてくれない、のようなことも起きます。
こちらの外部記事の中で、
”損失を与えても得をするのがIFAだけになると、個人とIFAには利益相反が起こってしまい、顧客本位へ疑問符が生じてしまいます。”
とあるように、やはり中長期的に双方にとって良い関係が続くためには利益相反が起きない構造で運用・管理される事が大前提になるのではないでしょうか。
顧客のライフプランニングを考慮しているか?
この投資商品がいいんです、とか新しいこういうプランが出来ました、とか、金融サービス業界の中には、販売に偏重しすぎるために商品の事ばかり話す人もいるかと思います。
こちらの外部記事でも言われていますが、
理想的にはIFAはかかりつけ医の立場になります。
”IFAはよくかかりつけ医にたとえられます。(中略)まずは顧客のことを知ろうとします。そのうえで「この投資家には何が一番フィットするか」を判断することが重要なのです。”
なので、その人の仕事内容や収入の安定性・不安定性、将来の自身や子供の教育のための課題等を理解し、その上でどれほどリスク・リターンを取るべきなのか、もしくはとらないべきなのかを判断しなければなりません。
商品・サービスの良し悪し=その人のライフプランに沿っているかは非常に大事なポイントと言えます。
私のIFAとしての報酬形態
私がIFAと意識しているのはTrailという報酬の頂き方です。
もしIFAがコミッションだけで報酬を得ている場合、常に新規開拓・営業活動が必須であり、契約後の顧客の運用内容に継続的なサポートをする価値が残らないものとなってしまいます。
適切な管理をする価値がIFAに残らないのであれば、結果的に顧客に対するサポートはされなくなる可能性が非常に高いのではないでしょうか。
Trailは全体管理額に対して一定量の%を頂くものです。
この形がやはり最もフェアだと考えられていて、しっかりIFAとして顧客の運用を管理する価値が残りやすいですし、長期的なサポートがしっかり行われるのではないでしょうか。
資産運用は時間をかけて行うものなので、投資の観点と人としての相性の観点、またサポートの構造の観点から慎重に判断したいものです。