ファイナンシャルプランニング

いつか本帰国する海外駐在員が現地通貨について理解するべきこと

海外駐在員や海外起業家の方々とお話ししていると、現地通貨とその管理方法が”なんとなく”だったりする人にお会いすることがあります。

日本円だろうがマレーシアリンギットだろうが増えることは基本的に喜ばしいことなはずですが、特に後進国通貨・規制通貨においてはきちんと事前に知っておかないと後でトラブルを起こすことがあります。

今回の記事ではどのようなトラブルが起こるのか、なぜ起こるのか、そしてその対策についての内容となります。

私自身がマレーシアに住んでいるのでマレーシアリンギットの話が中心となりますが、他の国でも同様の懸念事項・注意点は発生するかと思いますので是非参考にして頂ければ幸いです。

かっしー
かっしー
自分流で対応し、後になって困る、、、というケースは決して少なくありません!

現地通貨・銀行口座の管理におけるトラブル

最も多いのが、お金を海外に残して帰国し銀行口座が凍結されるというパターンです。

周りにもいるようだし大丈夫だろう、、、と思っていたら帰国後に銀行口座が凍結されたという話は決して珍しくありません。

マレーシアの場合は、本人がいなければ銀行口座の保有は認められないという状況で、世界的にアンチマネーロンダリングの規制が強くなっている中、これはマレーシアだけの話ではなくなってきています。

出来る方法で口座の資金を動かせば良いのでは?という甘い想定をされる人もいるようですが、銀行より本人の居住実態の確認の電話があったりと、お金の動きがあるから大丈夫とは全く言えない状況となっています。

そもそも何故資金を現地口座に置いたまま本人は本帰国していまうのか?については以下のような背景があります。

”為替”を理由に現地通貨をそのままにし本帰国

最も良くあるのが為替判断で今日本円に戻すと損するから、、、という理由です。

現在、マレーシアリンギットは対USドル、対日本円で過去最弱値を推移しており、今は日本円に戻したくないからと現地口座にリンギットをそのまま残し本人は帰国するという方は少なくありません。

マレーシアリンギットに限らず、他の後進国・中進国通貨も同様に、為替観点で不利なタイミングでもあるかと思います。

現地銀行にお金を残していくことについては、運要素もあるので、結果的に全くトラブルが起きない人は一定量います。

しかし、追って銀行口座・資金が凍結されたりして、非常に面倒な状況になってしまった人を実際に見ていますし、大丈夫である人もただ”今大丈夫なだけ”かもしれません。

”最後の給与タイミング”を理由に現地口座をそのままに

私自身海外駐在員という立場になったことが無いので、本帰国前にどのようなプロセスで準備が進むのかは100%理解していませんが、後にトラブルになった人の中に給与タイミングについて触れる人もいます。

帰国前の最後の給与が発生するタイミングと、自身の帰国タイミングがごちゃっとなって銀行口座を閉設するタイミングが無かったというケースです。

考えづらい理由な気もしますが、会社側に一定の理解や予備知識がなければ駐在員側にこのようなトラブルの原因を発生させてしまうケースもあるのかもしれません。

日本より定期預金の”利率”が良いから

少し前までマレーシアでの定期預金(1年)の金利は3%以上ありました。

最大では4%に届いていたこともあり、マレーシアの定期預金最強!と言う人が一定量いました(もちろん実質金利の観点で考えれば別ですが)。

このこともあり、日本に資金を持って帰り同様に1年定期に預けたとしても0.00…何とかなんだから、マレーシアリンギットとしてそのまま残そうという人もいました。

高金利通貨=インフレ通貨なので、経済学的にはこの考え方は間違っていますが、表面金利では魅力的に見えることは一定量理解できます。

海外駐在期間に貯まったお金を現地口座に残し、有利な環境で資産形成できている気にはなりますが、時間差でトラブルに発展することになった人もいます。

リスクフリーの資産運用だと思っていたらリスクフルになっている訳です。

マレーシア生活をずっと続ける人は?

私は今後ずっとマレーシアに住むつもりなので、マレーシアリンギットが将来的に弱くなっていったとしてもマレーシアリンギットだけで生活が完結するので大丈夫です。という主張があります。

一見この主張は的を射ているようにもみえますが、自身が住んでいる国の通貨が弱くなるということは、他の国のサービスが高くなり受けづらくなる、海外へ留学・進学費用が高くなりしづらくなる、日本に帰国しづらくなる、スーパーで売っているもの(輸入品)が30%up高くなる、などを意味します。

これはマレーシアだけでなく世界中で起こることで、為替概念上避けられない事象です。

理想を言えば自分がメインで持つ通貨が強くあり続けることがベストですが、それは現実的ではなく、特定の通貨に偏重しすぎることはライフプランニングにギャンブル性を発生させます。

私自身は米ドル>リンギット>英ポンドの割合で持っていますが、どういうキャリア・生涯設計であったとしても一点集中を避けるべきという考えはとても大事ではないでしょうか。

時間に余裕をもって”国際資金”に替えるべき

国際資金という言葉が実際にあるのかはわかりませんが、私個人の定義では国際的に管理できて、且つ、自分がどこの国にいっても管理・受け取りができる資金のことを国際資金と呼んでいます。

そういう意味ではリンギットは真逆の規制通貨で、自由度の高い通貨ではなく、リンギットに限らず多くの国の通貨が基軸通貨と比較して自由度に劣る規制通貨です。

リンギットなどの現地通貨を海外駐在期間に貯めこんだ結果、帰国直前でリンギットが弱すぎてどうしたら良いか分からない、、、と悩む人を大勢見てきました。

それを避けるためには、例えばリンギットを基軸通貨に少しずつ替えつつ積み立て運用を行うことで、規制通貨にリスクが集約しすぎることを避けられますし、

居住地に影響を受けず自分に繋がっている国際資金の割合を少し増やせるということは、規制通貨の所有に起因するトラブルの可能性を大きく削減できることに繋がります。

「リンギットいらねー」という冗談交じりの発言も聞いたことがありますが、事前にバランスを取り、過度に後進国通貨・規制通貨の割合が大きくなりすぎないように余裕を持った対応をすることは非常に大事だと考えています。