ファイナンシャルプランニング

2019年の財政検証と公的年金

こんにちは。

マレーシア在住ファイナンシャルアドバイザーのかっしーです。

5年に1度の財政検証、つまり”公的年金は大丈夫なのか”の検証結果(2019)が発表されました。

ちょっと前までは「100年安心」なんてことが言われていましたが、今回の検証でかなりシビアな結果が提示されることとなりました。

かっしー
かっしー
結果としては”安心じゃない可能性が圧倒的に高い”というものでした。それを受け止めた上で個人個人で準備が求められる時代になっています。

財政検証とは?

経済成長や賃金上昇率などを加味して、複数のシナリオを作成し、今後公的年金はどうなるか?を判断していくのが財政検証です。

理想的なシナリオ、ワーストケースシナリオ、など、6つのシナリオで検証されました。

目標とする50%所得代替率は達成できるのか?も同時にチェックされます。

*所得代替率:現役として仕事をしている間の手取り収入に対して、定年後に受給する年金額の割合。

受け入れないといけない年金の不都合な真実

不都合な真実その1

検証では経済成長率などに応じて6つのシナリオを設定していますが、ワーストシナリオのシナリオでは年金は枯渇するとレポートされています。

人為的に”ありえるシナリオ”を作成し検証した結果であるとはいえ、ワーストケースシナリオを含む3つのシナリオでは、所得代替率が50%を切ると想定されました。

不都合な真実その2

最も良い経済成長を想定しているシナリオでも、向こう27年は年金の給付額の抑制を続けて行かなければならないともレポートされています。

つまりどう転んでも給付額は落ちるor受給期間が短くなるという事実を改めて突き付けられたという検証結果となります。

不都合な真実その3

さらに別の検証として、現在20歳の人が2019年現在時点に置いて65歳の人と同等の年金受給額を達成するためには何歳まで働くことになるか?もレポートされました。

結果は69歳前後となり、この数字がじわりじわりと日本の平均寿命に近づいてきています。

グローバルインデックスという形で、定期的に各国の年金システムが評価されています。

2019年での世界基準で見た日本の年金システムの評価は↓です。

将来のために何をどうすればいいのか?

「将来の心配を今してもしょうがない、今を生きろ!」のような主張もあります。

それはそうだと思うところもあるので、個人的にできることとして”浪費の圧縮”は直ぐにできる効果的な対策だと思っています。

浪費=何か楽しいこと

浪費を無くす=人生が楽しくなくなる

と思っている人も少なくないと思いますが、私はこれに全面的に否定的です。

ヘドニック・トレッドミル現象でも証明されており、お金を使うだけ使っても幸福度が上がらないことは明白です(快楽に対する麻痺とも言います)。

また、”資産が形成できていると実感できている状態”は幸福度に直結しやすいという研究もあり、拝金主義的にお金がないと幸福感を感じられない傾向性を直すことは長い目で見て有効な対策だと考えています。

使うところは使う、貯めるところは貯める、投資するところは投資する、とお金に対する態度にメリハリをつけるところから将来の準備、年金問題の対策は始まると考えます。

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