学資保険と聞くとどのような印象を受けるでしょうか?
私が学資保険という言葉に対して思うことは、*子供の未来のため、と、*とりあえず間違いなさそう、という要素が非常に凝縮されている言葉だと思っています。
私がサポートさせて頂いている日本人クライアントの中にも、子供の為の資産形成をされている方が多々おりますが、その目的の為に学資保険は用いていません。
今回の記事を通してお伝えしたいことは、学資保険は何の為に持つのか?の目的を明確にすることの必要性についてです。
「子供の教育資金の為に学資保険に加入するんでしょ?」という人もいるかと思いますが、もし教育資金形成が主要な目的であるならば学資保険は必要ありません。
実は”学資保険の実際の機能と利用されている方々の理解のズレ”はとても大きいです。
そして学資保険という概念は非常に日本式で、世界的に見れば効率の悪い資金形成方法だとも捉えられます。
今回の記事を通して、学資保険の概念のおさらいとなぜ必ずしもお子様がいる全ての家族に必要なものではないのか、についてお話します。
そもそも学資保険って何?
学資保険とは、
資産形成要素+保険要素
が大枠の構造である保険商品です。
そうです。
純粋な教育資金形成のための商品ではないんです。
実は既にここが大きなポイントなんです。
教育資金を準備するために、、、という名目の商品ですが、学資保険には保険要素が必ずついてきます。
ここで敢えてハッキリ言いますがとても中途半端な商品が多いんです。
子供のために積み立てれば運用でお金も増えるし、その間、もし働き手(例えば父親)が亡くなった場合これぐらいの保険金が支払われますよ。
というものが多いかと思いますが、運用要素と保険要素どちらも取ろうとするために結局どちらも中途半端になってしまいます。
弱すぎる資産形成要素
一つの例として、かんぽ生命で学資保険に加入すると、15歳満期商品で、212万円の合計積立額に対して、最終的に受け取る額が200万円というものがあったり、
18歳満期商品で275万円の合計積立額に対して、最終的に受け取る額は260万円というものもあったりします。
弱すぎる資産形成要素というか、マイナスになるんです。
他の保険会社でも、例えばソニー生命や日本生命などでは10年保険料を積み立てた結果、最終的な合計運用成長率が5%前後というものがありますが、これで良いほうです。
また、マレーシア在住の方が現地の某日系保険会社に学資保険が欲しいと伝え、提示された学資保険に加入しました。
私が見直した際に気づいたことなんですが、想定段階で最終的な受け取り額が積立総額を下回っていました。
不十分な保険要素
なぜこのようなマイナス現象や+率が超限定的な現象が起きるかと言えば、保険機能を混ぜ込んでいるからです。
学資保険で子供のための教育資金を準備していきましょう。
それと同時に、もし親に何かあったら、今後の保険料を払う必要がありませんよ、や、死亡保障として300-500万円支払われますよ、、、など保険機能が付いています(これらの要素は特約で調整可能です)。
例えば、学資保険に搭載されている死亡保険金は数百万円という場合がほとんどかと思いますが、そもそも数百万円でできることはかなり限られています。
本当に残された家族や子供の未来を考えるのであれば、学資保険の保険機能ではあまりに弱いですよね。
そうすると結局また別の生命保険が必要、、、となり、学資保険が生命保険として中途半端なもの、且つ、コスト効率の落ちた運用方法となってしまいます。
学資保険の目的は何かを明確に
私が最初に学資保険に関してのお問合せを頂く時に、学資保険の目的を明確にするようにしています。
私個人の経験則ですが、学資保険という言葉を使われる方のほとんどの目的が”子供の教育資金準備”です。
もしそれが主要目的であり、生命保険等万が一の準備がされているのであれば日本式学資保険は100%必要ありません。
純粋に教育資金のための資産を形成する内容に特化した形で積立をしていくべきです。
海外在住のステータスを生かして
学資保険は日本国内で広くスタンダード化されていて、子供の教育資金準備=学資保険という認識が非常に強い状況です。
ただし、それは日本国内の話であって、世界的に見れば妥当性のある方法論ではありません。
海外に住む間、目的を明確に分け、運用は運用、保険は保険、と管理していくことで、日本に住んでいる状態よりもコストパフォーマンスの良い準備を開始することが可能です。
私自身のクライアントをサポートする際にも、教育資金形成は資産形成、生命保険は生命保険、医療保険は医療保険、と明確に分けて管理することで不要なコストが発生しない形を意識しています。
頂くお問合せの内容よっては、資産形成要素だけ足りていない、や、医療保険だけ足りていない、という方がいたりと、様々なケースが存在しています。
それはそれで、お話をお伺いする中で既存のものを理解しつつ、個人個人のファイナンシャルプランニングに沿ったアドバイス・商品提供をさせて頂いております。