ファイナンシャルプランニング

資産形成に置いてなぜ時間が重要なのか?その2-心の余裕と時間の関係-

みなさんこんにちは。

マレーシア在住のファイナンシャルアドバイザー、かっしーです。

企業や商工会議所などで資産運用に関するセミナーをさせていただく際には、ほぼ毎回時間の重要性に触れております。

一般的に、資産運用の話となると、あの銘柄がどうだとか、このスキームがどうだとか、単一の商品に目が行ってしまうことが多いのですが、自分の人生プランニングに沿って考えることはとても重要だと思っています。

ファイナンシャルプランニング・ライフプランニングの観点から見て自分はどのような立場であり、どの程度のリスクが許容できるかを把握し自身の目標を立てて資産の運用を計画することはあまりされないことかもしれませんが、是非持ってほしい視点です。

今回は資産運用の時間の重要性(その1の次記事)となり、“自分のもつ資産運用に残された時間と選択肢の関係性”の話です。

より冷静に判断するために

資産運用における時間の重要性その1の記事内で、積み立て時の与えられた時間によって結果が大きく変わることを説明しました。

月々の積立額の差が大きくなるだけではなく、積み立てに必要とされる合計元本に大きな開きがあることがわかります。

これだけでも時間の力が見て取れます。

今回のメインの内容となる資産運用における残された時間と選択肢の関係性の本題に入る前に、私が日本で耳にした投資話を紹介します。

日本のレストランで耳にした投資話

先日、私のクライアントから御紹介頂いた方々数名と東京都内のカフェで待ち合わせて色々お話をしてきました。

少々早めに到着してしまったのでコーヒーを飲みながら待っていたのですが、後ろから何となくこのような話が聞こえてきました。(席がとても近いので聞こうとせずとも耳に入る距離でした!)

要約すると、

「今、XX社という会社のこういう投資スキームがあって、月利20%が発生・配当されるものなんですよね。今回のそのスキームの締め切りがXXまでなんだけども元本が保証されるようだし、参加条件が50万円程度だし、やってみようかなと思っているんです。」

というような内容でした。

年輩同士の会話のやりとりで、その方々の関係が友人関係なのか紹介者関係なのかは不明でしたが、紹介されている投資スキームに関しては99.9%ポンジースキーム(ネズミ講)だなと思いました。

ポンジースキーム

昔も今もポンジースキーム(ネズミ講)は、私が住むマレーシアや日本を含め世界中どこでも存在していて、異なった商材・投資スキームで紹介されていても結局は以下のパターンに落とし込んでいきます。

● 超高利率の配当を謳う
(月利2%以上&年利20%以上)

● 高頻度の配当を実施
(投資開始後すぐにリターンを感じられる)

● 元本保証&リターン保障
(リスクの無さを強調)

● 高い紹介料が発生する
(金銭を基にネットワークを形成)

● 良い条件の投資を比較的少額からスタートできる
(自分でも参加できる少ないチャンスだと思ってしまう)

● 無免許・無認可
(それっぽい社名や人との繋がりを謳う)

これらの項目が当てはまるようであればポンジースキームだと疑うべきで、前述のカフェで聞こえた内容がこれらの項目に当てはまりとても疑わしいなと思いました。

事実、現在でも存在しているねずみ講の90%以上が、これらの項目に当てはまるようです。

一般的に、もし超良案件(投資適格案件)が存在したとしたら金融業界に接点の無い個人にそのような話が下りてくること自体が不自然であるということを理解するべきではないかなと思います。

今回、なぜポンジースキームの話をしたかといえば、自分の“資産運用に残された時間”と“ポンジースキームに陥ってしまいがちな人”には直接的な関係があるからです。

資産運用における残された時間

前記事とまったく同様の2つのシナリオを比較します。

【シナリオA】

現在35歳、ニュースなどで年金のことが気になり始め、早めに積み立て運用を開始しようと決める。
・65歳に向けて5,000万円ほどの資産形成を目指し積み立て運用を開始。
・金利は5%とする
残された運用のための時間は30年間

【シナリオB】

現在55歳、基本的には今まであまりお金のことを意識しなかったが、55歳になって少し余裕もでき、年金のことを考えつつ資産運用に興味を持ち始める。
・65歳に向けて、積み立て運用で5,000万円の資産形成を目指す。
・金利は5%とする
残された運用のための時間は10年間

多くの方に、定年や退職という概念が当てはまるので資産形成のターゲット年齢を65歳と仮定した場合、それぞれの必要な積立額は、、、

Aのシナリオでは月々6万円の積立額で、65歳の時点に置いて約5,000万円の達成となりました。

対して、Bのシナリオでは月々32万円の積立額で、同じく65歳の時点に置いて約5,000万円の達成となりました。

この例の中での変数は大きく分けて2つ、積立額と利率の2つです。

シナリオAとBを比べると、シナリオBの人が限られた時間でシナリオAと同等の結果に追いつこうとすると拠出額を大きく上げなければなりません。

シナリオBの人がこの積み立て額を拠出できない場合、”調整”できるのは変数は利率だけになります。

一般的に、じゃあ75歳まで働こう、という選択肢は、直ぐには検討対象にならない最後のカードになるかと思います。

このような場合、後者のシナリオBで生まれる心理状態は拠出額&投資の元本には限界があるのだから、より高い利率のものしか検討対象にならない、というものです。

残された時間が少ない分選択肢が狭まった結果、自分にとって都合の良いものしか検討対象とならず、前述であったようなポンジースキームに陥ってしまいやすいというプロセスが出来上がります。

日本でニュースになるような定年後の詐欺被害の多くがこのようなパターンをたどっているような気がしてなりません。

意識したい時間の余力

資産運用で100%リスクフリーということはありえません。

どこかにリスクが存在していて、そのリスクを理解して取り組んでいく、また、なんらかの方法で緩和していく必要があります。

その有効な手立てになるものが“時間“になります。

今回のポイントとしては、時間の余力が無いことが視野を狭め、冷静に判断することができなくなり、その結果、本来選んではいけないものを選んでしまうというプロセスに陥ってしまうことが少なからず発生していることになります。

また、そのような状況に陥らないためには、自分の周りとの“お金”に関する情報交換や勉強を少しでも早い年齢から開始し、時間の余力を最大現活用することが大切なのではないでしょうか。