こんにちは、かっしーです!
今月は日本で多くのマレーシアに関する番組が放送されております(個人的にはとても嬉しいです!)。
”今すぐ会社辞めてマレーシア行く!”や、”ただただ羨ましい”のようなコメントを番組放送日には特に多く見かけます。
当然ですが、放送に使われている内容はマレーシアのきれいな側面・楽しい側面のみに偏っており番組を見ている限り、楽園に見えるかもしれませんが、必ずしもマレーシアに住むことは、楽なことばかりではありません。
実際にマレーシアがあまりに嫌い過ぎて帰国される方も決して少なくありません。
放送される番組を通してマレーシアの街並みの綺麗さや住環境などは十分日本に住んでいる方々に伝わっていると思いますが、在マレーシア10年の私がそれらの番組を見たときに、最も事実から離れてしまっていると思う点が給与に関する内容です。
マレーシアが特集された番組、「幸せ!ボンビーガール」の放送では、マレーシアに移住したら、大きい家に住めて裕福な生活ができてなんなら、貯金もしっかりできちゃうし、マレーシアさいこーー!のように放送されていましたが、あれはやはり特別なケースです。
仮に給与自体が、日本の時から比べて大きく落ちても物価も日本と比べると格段に落ちるので給与が落ちることは気にしなくていいよ!というような人材紹介会社もあります。
それは部分的な真実であると思いますが、やはり限度はあると思います。今回の記事内容は、依然存在している就労ビザルールにおいて最低水準の設定給与5,000リンギットをどう捉えるべきか?について話していきます。
また、だったら最低どれくらいがいいのか?という点も触れます。
*本日2019年2月24日において
1リンギット=27円
5000リンギット=135,000円
まず結論として・・・
まず、
5,000リンギットという給与、またそれを提示する企業に勤めることに対する私の考えは、
私は全くおすすめしません!
です。
コミッションの部分が大きかったりマレーシアや特定の業界などに本気のこだわりがある場合など、中には例外はありますが5,000リンギットはさすがにね・・・。と思います。
そう主張する理由を以下に挙げていきます。
尚、家賃が完全にケアされている場合であれば少し話は変わると思います。
通常家賃がまるっとカバーされることはないので、今回の話は家賃補助が無いという前提での内容になります。
言われるほど安くないマレーシアの物価
マレーシア=物価が安い、と思い込むのは昨今もうできないと思っています。
特にクアラルンプールに関して言えば、安いという概念からどんどん離れているのではないでしょうか。
上記の記事内での計算によれば私自身の場合、固定を諸々支払うと月々の出費は4,000リンギット程になります(私は基本的には浪費がとても嫌いな人間です)。
なんだ5,000リンギット以内に収まってるのでは!?と思うかもしれませんが、以下のポイントは要注意です。
出かけるとそれなりの出費になる
前述の月間4,000リンギットという出費計算に、友達付き合いなどの費用や例えばセミナーに参加したりなどの娯楽・諸活動の費用などは入っていません。
精神衛生上、というかそもそも生きていく上で、交際費は発生しますし、自分に価値のありそうなセミナーなども行くべきですよね。
例えばですが、友人とバーに行こう!となりおしゃれな場所に行くとします。
上記ブログ内で紹介されているような場所に行くとすれば一回で200リンギット前後は簡単にいくので、1,000リンギット(5,000リンギット-4,000リンギット)を上限とするとほとんど外出できる余裕は無いことがわかります。
いや、自分はそんな外出しないし!という方もいるかもしれませんが、全てを遮断しなければいけない状態であれば、敢えてマレーシアにいる必要もないですしやはり一定量の交際費が発生すると考えるのが自然ではないでしょうか。
特に男性は特にこの点注意かもしれません!!
来る前・来た直後はそれほど意識しない所得税
マレーシアに転職しよう!と考える時に、一般的に気にするのは仕事の内容と給与形態ですよね。
給与を見ると月収としてこれくらい、という提示をされますが、これはあくまで額面の話です。
タックスの観点から見て、居住者か非居住者なのかによって所得税率が大きく変わることも想定しなければなりません。
非居住者の場合、30%が所得税として課せられるのでまあまあ税金として持っていかれます。
マレーシアに来たタイミングにもよりますが、いずれにせよ最初はタックスの観点では非居住者としてスタートするので給与5,000リンギットに対して30%が所得税により天引きされると想定すれば、もはやケチな私でも全然足りません・・・。
また、保険回りや賃貸の出費のこともしっかり加味して就職活動をしなければいけません。
それぞれの求人内容によって、どこまでカバーされるのか、何が自己負担なのか、できる限りしっかり考え聞くことはしっかりと聞かなければいけません。
もし、求職者からの質問に対して説明を嫌がるような会社であればはい、以上でーす。という感じで忘れてしまうことをおすすめします!
インフレ率から見る給与5,000リンギット
日本は長らくインフレという概念を感じない国だったのでインフレを体感したことがない人は少なくないはずです。
それに対し、マレーシアに住んだ過去10年間、しっかりインフレを体感しました。10年前からしたら、一部の消耗品の値段や交通費などは2倍以上になっているものもあります。
ちょっと自分の感覚だと頼りないので、インフレ率の変遷を確認してみましょう。
indexmundiというサイトから抽出したものになります。
このチャートのペースお金の価値が落ち続けているということになります。
便宜上の計算として、私がマレーシアに来た年2008年をベースにし、当時も設定されていた最低給与水準5,000リンギットに対しての比較するとざっくりですが平均インフレ率を2%とすると(本当はもうちょっと高いですが)現在の4,000リンギットの給与とイコールになります。
同時に、クアラルンプールのホワイトカラーの平均給与が日本全体の平均給与に追いついたというデータも考慮にいれると、あれ、現地の人たちの給与は上がっているのに日本人の給与水準はむしろ落ちている?という話になり5,000リンギットの給与というのは現実的ではありません。
どれ程の給与を最低水準とすれば良いのか?
私が思う最低基準は6,000リンギットです。
その上で、もし、経済的に余裕がないけどマレーシアで頑張りたい!という人がいるとすれば、最初はルームシェアをお勧めします。
固定費が圧倒的に落ちるので経済的な心配は大分なくなるはずです。ハウスメイトによってはストレスは発生する懸念はあります。
特に最初の頃は、前述で説明したように、非居住者の所得税率を理由として大きく手取りが減りますし、そもそもわからないことが多いので必要のない出費も発生します。
最初の1,2年はよっぽど残念なお金の管理をしていなければ、もしくはひどい病気をするなどの、大きく予想外の事が起きなければ6,000リンギット&ルームシェアのコンビネーションで十分納得のいくマレーシア生活はできると思います(6,000リンギットで完全自分の賃貸となると相当カツカツのはずです)。
同じ会社で務めて給与を少しずつ上げていくのもよし、ヘッドハンティングされるのもよし、どこかでスーパー勝負するのもよし、そこからどうなるかは自分次第です。
いずれにせよ一度は足元を固める必要はあるので、周りの表面上の雰囲気に流されずに自分の目的感を大事にしていければ良いのかなと思います。